腸活とは腸に良いことをしする活動で、具体的には「腸を健康にする活動」です。
そんな腸活を続けるとダイエットに効果的とのこと。
腸に良いことがなぜダイエットになるのか?その繋がりをまとめました。
また、そもそも「腸」とは?さらに「腸内細菌」の基本についても詳しく掘り下げています。
腸活がダイエットに効果的な理由とは?
腸活は太りにくく痩せやすい身体作りをサポートするためダイエットに効果的です。
まずは、そんな腸活の効果から、ダイエットに向いている理由を順番にまとめていきます。
腸活をすると「健康」になる
腸活を行うと、身体が全体的に健康になります。
腸には身体の免疫機能のうち約70%が集まっていて、腸の具合が悪いと免疫力が下がり、あらゆる病気になりやすくなります。
体調不良の状態でダイエットはできません。
ダイエットはまず健康になってから行うことが重要です。
また、近年は腸活が「ストレス軽減」や「美肌」などにも良い影響を与えることが分かっています。精神的にも美容にも効果的なので、まずは腸活を始めるのが一番ですね。
腸活をすると「代謝」が上がる
代謝とは、食べたものを消化・吸収し、エネルギーに変換する工程のこと。
そのうち「基礎代謝」とは、呼吸や体温の維持など生きていくために最低限必要な機能に使われるエネルギー量のこととなります。
安静にしてるときでも消費されるエネルギーの量です。
エネルギーとは、すなわち「カロリー」。
良く言われる『代謝が良い』とは、この基礎代謝の量が多い状態。
つまり代謝が良い身体とは体内で使われるカロリーの量が多い身体ということとなります。
基礎代謝は消化・吸収といった腸での活動も含み、腸がしっかり働くことは基礎代謝アップにつながります。
それどころか、腸の働きは基礎代謝の中でも大部分を占めるため、腸が不健康でちゃんと動けないとエネルギーが消費されず、太りやすく痩せにくい身体になります。
エネルギーの消費効率が下がってしまうのですね。
基礎代謝の低下により、消費されなくなったエネルギーは脂肪として体内に溜まってしまいます。
代謝が下がる=脂肪が溜まる、という絶望的な悪循環ですね・・・。
そんなバッドスパイラルに陥らないためにも腸を整える腸活が大切になります。
腸活によりエネルギーを消費しやすい身体を作っていくことで、ダイエットにつなげていきましょう。
腸活をすると「脂肪」が付きにくくなる
腸活により腸を整えると、腸内細菌が「短鎖脂肪酸」という物質を生み出します。
- 酢酸(さくさん)
- 酪酸(らくさん)
- プロピオン酸
これら短鎖脂肪酸のうち「酢酸」には、脂肪が脂肪細胞に取り込まれるのを防ぐ働きがあり、体内への脂肪の蓄積を抑えてくれます。
また「酪酸」は交感神経に作用するため基礎代謝を上げる効果があります。
短鎖脂肪酸は健康な腸で生まれやすい物質なので、短鎖脂肪酸を増やすには腸を整える腸活が重要!
脂肪が付きにくく、代謝がアップしエネルギー消費を促進できるため、腸活はダイエットに効果が期待できるのですね。
ここまで、なぜ腸活がダイエットに効果的なのか?についてまとめました。
しかし、そもそも「腸」とは、そして「腸内細菌」とはどんな器官・働きをするのでしょう?
ここからは腸と腸内細菌について掘り下げていきます。
そもそも「腸」とは?
「腸」は小腸と大腸の2つに分かれます。
それぞれの働きは
- 小腸:食べたものの栄養を消化・吸収する
- 大腸:小腸で吸収しなかった残りから水分を吸収し、そのまた残りのカスなどを排出する
といったもので、小腸・大腸はいずれも健康に欠かせない身体の器官です。
腸活ではこれら小腸・大腸の腸内環境を整えることが目的となります。
この「腸内環境を整える」とは、つまり「腸内細菌のバランスを整える」ということになります。
続いては、そんな腸内細菌について掘り下げていきます。
腸内細菌について
腸内には多くの種類、膨大な数の細菌が住んでいます。
この腸内細菌の種類・数は人によって異なりますが、一般的には種類は1000種類ほど、数は100兆個とも言われています。
ちなみに、成人の場合は腸内細菌だけで重さが約1kgになるとか。
体内に1kgもの細菌を飼っている、そう考えると何だか神妙な気持ちになりますね・・・。
そのように多種多様な腸内細菌が集まる様は、色とりどりの花が咲き誇る様子に例えられ「腸内フローラ(腸内細菌叢)」とも呼ばれます。
腸活ではこの腸内フローラのバランスを整えることが重要です。
具体的には、腸内細菌の種類を増やすこと、腸内に棲む細菌たちの多様性を広げることとなります。
ただ、腸内フローラを整えるには良い菌だけでなく悪い菌もある程度は必要。
悪い菌を排除するのではなく、良い菌を増やしていくことが大切になります。
そんな腸内フローラを構成する腸内細菌3種類「善玉菌」・「悪玉菌」・「日和見菌」について簡単に説明していきます。
善玉菌(ぜんだまきん)
善玉菌とは腸内の環境を整える菌のこと。
先ほど【腸活をすると「脂肪」が付きにくくなる】でも説明しましたが、腸内細菌は脂肪の吸収を抑える短鎖脂肪酸を生み出します。
この短鎖脂肪酸を生み出すのは善玉菌です。
短鎖脂肪酸である酢酸や酪酸はいずれも酸、つまり酸性の物質となります。
これら短鎖脂肪酸が増えることで腸内は酸性(弱酸性)になり、外部から侵入した病原体に対する抵抗力を上げ、発がん性物質の発生を抑えるといった作用が得られます。
つまり善玉菌が増えることで、身体の免疫力がアップするということですね。
さらに、善玉菌には腸内でビタミンを生み出す働きや、腸内細胞を活性化させる働き、血清コレステロールを低下させる効果など、とにかく身体に良い働きをたくさん行ってくれます。
腸活ではこの善玉菌を増やすことがまず第一の目的です。
主な善玉菌としては
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
- 納豆菌
- 麹菌
- 酪酸菌
などがあります。
善玉菌は発酵食品に多く含まれるため、善玉菌を増やすにはまず発酵食品を食生活に取り入れることから始めると良いでしょう。
悪玉菌(あくだまきん)
悪玉菌とは腸内の環境を悪くする菌のこと。
悪玉菌は腸の内容物、つまり食べたものを腐敗させ、毒素を生み出します。
この毒素は食中毒のリスクを上げるなど、なかなかに厄介な代物。
また、この悪玉菌が生み出す毒素により腸内環境は病原体が好むアルカリ性になってしまいます。
腸内がアルカリ性になる⇒病原体が増加⇒腸内環境がさらに悪化、と悪玉菌の増殖は腸内環境にとって最悪の事態とも言えます・・・。
さらに、有害物質や発がん性物質を生み出すという大きなデメリットも。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると
腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
腸内細菌と細胞 e-ヘルスネット
とあり、これらの疾患は腸内に悪玉菌が多いことによって引き起こされる、とされています。
こんな悪玉菌の増殖を抑えるのが善玉菌です。
善玉菌は腸内を病原体が好まない酸性に変え、有害物質・発がん性物質の産生を抑えます。
健康な腸のためには善玉菌が悪玉菌より優勢であることが大切ですね。
悪玉菌が増える食生活とは?
悪玉菌はたんぱく質(特に動物性)や脂質が中心の食生活で増殖します。
野菜不足やジャンクフード、スナック菓子ばかりの食生活が危ない!ということですね。
また、食事以外にも
- 生活リズムが狂った不規則な生活
- ストレスが多い生活
な生活習慣を続けると悪玉菌が増えます。
また、腸の活動が低下してしまう「便秘」も悪玉菌増加の一因。
とにかく身体に悪そうなことは全て悪玉菌を増やす行動である、と認識すればOKです。
悪玉菌の働きは悪いことばかりではない!
悪い悪いといわれる悪玉菌ですが、こんな悪玉菌にもちゃんと良い働きがあります。
悪玉菌にはたんぱく質(動物性)を分解する、そして便として排泄させる、といったなくてはならない働きがあります。
増えたら困るものの、なくなっても困る。そんな面倒な存在であるのが悪玉菌です。
そんな悪玉菌の代表的な菌は
- ウェルシュ菌
- 大腸菌の毒性株
- 緑膿菌
などとなります。
日和見菌(ひよりみきん)
日和見菌とは善玉菌でも悪玉菌でもない菌のこと。
「日和見」という言葉通り、優勢な立場(数が多い)にある方に味方する性質を持ちます。
つまり、善玉菌が優勢なときは善玉菌の肩を持つものの、悪玉菌が優勢なときは悪玉菌に加担します。
そのため善玉菌が多い健康な腸では大人しいものの、悪玉菌が善玉菌に勝ると日和見菌も悪玉菌と一緒になって悪さをし始めるため、腸内環境が一気に悪化します。
日和見菌は増やしても減らしてもどうにもならないので、まずは善玉菌を増やし、日和見菌に味方してもらうことを目指しましょう。
バランスの良い腸内細菌の比率とは?
善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3つの菌のバランスは「善2:悪1:日和7」が理想とされています。
この善玉菌が悪玉菌よりも多数を占めている、という状況をキープすることが大切です。
善玉菌と悪玉菌は私たちの腸内で常に戦争状態であり、食事や体調の変化により戦況は刻一刻と変化しています。
したがって、毎日、バランスの良い食生活を続け、健康を維持することが腸内環境の改善に最も効果的です。
【まとめ】腸活ダイエットの第一歩
腸活ダイエットの第一歩として、まずは「腸内環境を整える」ことが重要と分かりました。
腸内フローラを整える、善玉菌を増やすなど、まずは腸を健康にすることからダイエットを始めましょう!