大麦の種類には、粘りが弱い「うるち性」と、粘りが強い「もち性」があります。
このうるち性・もち性2種類の大麦の特徴について、それぞれまとめてみました。
さらに、うるち性・もち性の大麦の栄養価には違いがあるのか?についてもまとめています。
うるち性大麦の種類

粘りが弱い「うるち性の大麦」は、
- 丸麦
- 押し麦(胚芽押し麦)
- 米粒麦
- 白麦
- ビタバァレー
といった種類が販売されています。
これら大麦の特徴をまとめていきます。
丸麦
丸麦は殻や糠(ぬか)など、一般的に食べない部分を取り除いた大麦です。
以下の大麦たちは、この丸麦をいろいろと加工した大麦たちとなります。
押し麦・胚芽押し麦
押し麦は、丸麦を押し、薄く平らに加工した大麦となります。
このうち『胚芽押し麦』は胚芽(芽となる部分)を残したまま加工したもの。
面の中心に黒い線(黒条線)が通っているのが特徴です。
また、カットされていないので、粒が大きめなのもポイント。
食感にアクセントが欲しいときにオススメです。
大麦の加工品の中でもっともポピュラーといえる種類ですね。
米粒麦
米粒麦は、その名前通り米粒のような見た目の大麦です。
丸麦を黒条線の部分で2つに切り分け、黒条線を取り除いたものとなります。
白米といっしょに炊飯するのが主な料理法で、麦が苦手な方でも比較的食べやすい種類と言えます。
白麦
白麦(はくばく)は、米粒麦を押し、薄く平らに加工した大麦です。
薄いため、米粒麦よりも調理に使いやすいのが特徴。
うっすらと黒条線が残っているものの、見た目はほとんどお米です。
ビタバァレー
ビタバァレーは、白麦にビタミンB1を添加した大麦。
製品によってはビタミンB2も添加されています。
ビタミンB1・B2は白米にほとんど含まれていない栄養素。
ビタミンB1・B2は補酵素として糖質の代謝をサポートする働きを持ち、不足すると疲れやすくなるなど不調の原因に。
このビタミンB1不足で、江戸時代には脚気(かっけ)という病気も流行していました。
現代でも不足しがちなビタミンB1・B2が強化されているビタバァレーは栄養補給にうってつけ!
疲労回復などに効果が期待できるので、最近疲れやすい・疲れがとれないと感じている方はぜひビタバァレーを取り入れてみましょう。
もち性の大麦「もち麦」の特徴とは
もち性の大麦は、まとめて「もち麦」と呼ばれます。

うるち性の大麦のような、加工ごとの種類はそこまでポピュラーではありません。
もち麦はうるち性の大麦と比べ粘りが強く、モチモチ食感が特徴です。
白米に混ぜて炊くと、白米がモチモチ食感になり、もち麦はプチプチとした食感で、歯ごたえを楽しめます。
大麦は種類ごとに栄養価が違う?100gあたりの栄養価を比較
大麦は種類ごとで栄養価が変わるのでしょうか?
そんな大麦100gあたりの栄養価を種類ごとにまとめていきます。
栄養を比較するのは、大麦製品としてポピュラーな押し麦・米粒麦・もち麦の3種類です。
栄養価は(株)ははくばくの商品情報を参考にしました。
押し麦 | 米粒麦 | もち麦 | |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 334 | 333 | 341 |
たんぱく質(g) | 6.6 | 7.5 | 7.4 |
脂質(g) | 1.6 | 1.4 | 1.8 |
炭水化物(g) | 77.6 | 76.9 | 80.2 |
食物繊維(g) | 8.5 | 8.5 | 12.8 |
こうして比較してみると、同じ大麦ということもあり目立って大きな差はないことが分かりました。
エネルギー(カロリー)と脂質はほぼ差がなく、たんぱく質は押し麦がやや少なめ。
炭水化物はもち麦がやや多めであることが分かっています。
ただ、食物繊維量は押し麦・米粒麦が同じ8.5gであるのに対し、もち麦は12.8gと1.5倍以上も多いことが判明!
押し麦・米粒麦・もち麦の糖質量を比較すると、
- 押し麦:69.1g
- 米粒麦:68.4g
- もち麦:67.4g
となり、もち麦がわずかながらもっとも少ないという結果になりました。

炭水化物の総量こそもち麦が一番多いですが、食物繊維が豊富なので、糖質だけなら一番少ないというのは面白いですね。
したがって、大麦は種類ごとにやや栄養価の違いがあるものの、大きな差はないため、選ぶときは味わい・食感の好みを優先させてOKだと思います。
【まとめ】大麦の種類について
- うるち性の大麦
- 丸麦
- 押し麦:丸麦をプレスし薄くのばしたもの
- 胚芽押し麦:押し麦のうち、胚芽を残したもの
- 米粒麦:丸麦を二等分し、米粒状にしたもの
- 白麦:米粒麦をプレスし薄くのばしたもの
- ビタバァレー:白麦にビタミンB1などを添加したもの
- もち性の大麦:もち麦
ここまで、大麦の種類についてまとめました。
大麦、うるち性の大麦は販売されているだけでこんなに種類があるなんて知りませんでした・・・。
個人的には、押し麦とビタバァレーが同じうるち性の大麦から作られていることに驚きです。
栄養価的にはほとんど差はないため、食べ比べてみて、一番好きな大麦を毎日の食卓に取り入れていってみましょう。