日本の麺類を代表する「うどん」と「蕎麦(そば)」。
このうどん・蕎麦のうち、よりダイエット向きなのはどちらでしょう?
うどんと蕎麦の栄養価の比較からダイエット向きな方を検証してみました。
さらに、うどん・蕎麦を食べると得られるメリットや、味の決め手・つゆについてもまとめています。
うどん・蕎麦の栄養価を比較
うどんと蕎麦の栄養価を比較します。
- うどん: 穀類/こむぎ/[うどん・そうめん類]/うどん/ゆで
- 蕎麦:穀類/そば/そば/ゆで
うどん・蕎麦ともに『ゆで麺』タイプの栄養価を比較します。
<基本>うどん・蕎麦の栄養価を比較
まずは、うどんと蕎麦の基本の栄養価です。
栄養素 | うどん | 蕎麦 |
---|---|---|
エネルギー | 95kcal | 130kcal |
水分 | 75.0g | 68.0g |
たんぱく質 | 2.6g | 4.8g |
脂質 | 0.4g | 1.0g |
炭水化物 | 21.6g | 26.0g |
食物繊維 | 1.3g | 2.9g |
まず、カロリーはうどんが95kcal、蕎麦が130kcalと、蕎麦がうどんよりも約1.37倍カロリーが高いという結果に。
なんとなく、蕎麦の方がカロリーが低そうだったので、この結果は意外ですね。
ただし、蕎麦は水分以外の全ての数値にて栄養価がうどんを上回っているのがポイント。
うどんよりも栄養価が高い分、カロリーもそれに伴い高くなっていると思われます。
また、糖質(炭水化物ー食物繊維)を比べてみると、うどんは20.3g、蕎麦は23.1gとそこまで差はありません。
蕎麦は、整腸作用がある食物繊維は2倍以上、また脂肪の燃焼をサポートするたんぱく質は約1.8倍とダイエットをサポートする栄養価が豊富です。
カロリーはうどんの方が低いものの、食物繊維・たんぱく質の含有量が多い蕎麦の方がダイエット向きと言えるでしょう。
<ビタミン>うどん・蕎麦の栄養価を比較
つづいて、うどんと蕎麦のビタミンです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | 100gあたりの含有量 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | – | – |
ビタミンB1 | 0.02mg | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.01mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.01mg | 0.04mg |
葉酸 | 2μg | 8μg |
ビタミンC | – | – |
ビタミンD | – | – |
ビタミンE | 0.2mg | 0.9mg |
ビタミンはうどん・蕎麦ともにあまり含まれていません。
しかし、少ないものの含まれるビタミンのうち、全ての数値にて蕎麦がうどんを上回っています。
ビタミンB群(B1・B2・B6・葉酸)は代謝をサポートする補酵素として働く栄養素。
さらに、ビタミンEは高い抗酸化作用を持ちます。
いずれも少量ですが、より多く含まれる蕎麦の方がダイエット向きと言えますね。
<ミネラル>うどん・蕎麦の栄養価を比較
最後に、うどんと蕎麦のミネラルです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | 100gあたりの含有量 |
---|---|---|
ナトリウム | 120mg | 2mg |
カリウム | 9mg | 34mg |
カルシウム | 6mg | 9mg |
マグネシウム | 6mg | 27mg |
リン | 18mg | 80mg |
鉄 | 0.2mg | 0.8mg |
まず、大きく差が開いたのはナトリウム。
うどんの120mgに対し、蕎麦は2mgと60倍です。
ここまでナトリウム量に差が開いたのは、うどんは原材料に食塩を使用するため。
うどんに食塩を使用するのは『コシを出すため(グルテンを引き締める)』や『旨みを引き出す』、『茹で時間を減らす』、『保存性を高める』など様々な理由があります。
食塩はうどんを茹でるときに約90%が流出するとされていますが、それでも多少は含まれるため、食塩を使用しない蕎麦と差が開いたと思われます。
また、ナトリウム以外の全て栄養価では、蕎麦がうどんを上回っていました。
ダイエット中にもしっかり摂りたい栄養のバランスが良い、という意味では蕎麦の方がダイエット向きと言えるでしょう。
【まとめ】うどん・蕎麦どちらがダイエット向き?
うどん・蕎麦のうちダイエット向きと言えるのは「蕎麦」です。
蕎麦は
- たんぱく質・食物繊維が豊富
- ビタミンB群が多い
- ミネラルのバランスが良い
という点でうどんより優れています。
そのため、うどんか蕎麦なら、蕎麦を選んだ方がダイエットに効果的と言えるでしょう。
うどん・蕎麦の食べ方について
「ダイエットには蕎麦がオススメ」と分かりましたが、体調や求める効果によってうどん・蕎麦の選び方は変わります。
そんなうどん・蕎麦の食べ方について、得られるメリットごとにまとめてみました。
「うどん」は消化が良く、エネルギー補給にオススメ
うどんのメリットは消化が良いこと。
うどん=消化が良い、というイメージが強いですが、このイメージは正解です。
そもそも『消化が良い』というのは、体の中で吸収されやすい形に変化するスピードが速いということ。
栄養素のうち、一般的に消化にかかる時間が短いのは『糖質』とされ、この糖質が多く含まれるうどんは消化に良いことになります。
けれども、上の比較表では、うどんと蕎麦の糖質量はそこまで差がありませんでしたよね?
うどんと同じように炭水化物が多い蕎麦ですが、蕎麦にはうどんよりも食物繊維が多く含まれるのが特徴。
食物繊維は整腸作用など、腸に良い働きをする栄養素ですが、そもそも食物繊維は人の体内で消化できない成分です。
食物繊維が多く含まれる食品は「消化のスピードが遅くなる」ため、糖質の吸収が遅くなり、血糖値が急に上がりにくくなるという健康・ダイエット上のメリットがあります。
しかし、裏を返せば「消化のスピードが遅くなる」ことは消化が悪いということ。
消化に時間がかかり、体への負担も増えるため、体調が悪いときに食物繊維が多い食事は向いていません。
よって、食物繊維が少なく、糖質が多めで消化に良いうどんは体調が悪いときの速やかなエネルギー補給にピッタリと言えます。
ダイエットに適した食事は体調が万全の時のみにした方が良いですね。
「蕎麦」に期待できる健康効果とは?
蕎麦には『ルチン』と呼ばれるポリフェノールが含まれます。
ルチンには毛細血管を強くする働きがありこの毛細血管強化の働きにより、脳出血など出血性の疾患予防に効果的とされています。
さらに、ルチンの効果は血管をしなやかで弾力がある健康的な状態へ変えるという働きでもあり、血液循環に関わる全般に効果が期待できるとのことです。
また、ルチンには高血圧や動脈硬化を予防する作用も期待できます。
他のポリフェノールと同じように抗酸化作用も高いため、生活習慣病予防にうってつけですね。
その他、ルチンにはビタミンCの吸収をサポートするという働きもあります。
よってビタミンCが多く含まれる食品と一緒に摂取するとより効果的!
また、蕎麦はたんぱく質のうち必須アミノ酸をバランス良く含みます。
食物繊維も豊富なので、健康にもダイエットにも向いている麺類と言えるでしょう。
※参考 農林水産省 そばの栄養(えいよう)について教えてください。
うどん・蕎麦の『つゆ』の注意点
うどん・蕎麦はいずれも『つゆ』に注意が必要です。
ほとんどの麺類に欠かせないつゆですが、つゆはカロリーも塩分も高めなのでつけ過ぎ・かけ過ぎは禁物!
また、ダイエットを意識するならつけ方で量が調整できる『ざる蕎麦』がオススメ。
代謝を下げないために温かいつゆにつけて食べるとなお良いでしょう。
具材は野菜と肉・魚類をバランス良く摂れるように意識すると健康・ダイエットにも生かせますね。
ここまで、うどん・蕎麦はどちらがダイエット向き?と、うどんと蕎麦を食べて得られるメリットについてまとめました。
ダイエットには蕎麦の方が向いています。
ただし、蕎麦であっても、もちろんうどんであっても食べ過ぎはNG!
ちょうど良い量を程よく食べ、ダイエットに生かしましょう。