近ごろ「コレステロール値を下げる豆乳」が販売されています。
なぜ豆乳でコレステロール値が下がるのでしょうか?
そもそもコレステロールとは?なぜ増えると良くないのでしょう?
また、どの豆乳がコレステロール値を下げる働きがあるのかをまとめていきます。
コレステロールを下げる豆乳とは?
「コレステロール値を下げる」働きがあることから特定保健用食品(トクホ)として販売されている豆乳をまとめます。
マルサンアイ(株)「国産大豆の調製豆乳」
マルサンアイ株式会社の「国産大豆の調製豆乳」は
- 大豆たんぱく質が200mlあたり7.0g
- 大豆固形分が9%
と、同社の他の調製豆乳と比べて大豆たんぱく質が豊富&大豆固形分が高いのが特徴です。
また、大豆イソフラボンアグリコンとして大豆イソフラボンが25mgが含まれているのもポイント。
この「国産大豆の調製豆乳」は『血清コレステロールを下げる働き』から特定保健用食品としての表示が許可されています。
「国産大豆の調製豆乳」はあまり店頭では見かけない製品です。
わたしが住んでいる地域が田舎だからでしょうか?
アメリカ・カナダ産が主流の大豆ですが、この「国産大豆の調製豆乳」は使用の大豆がすべて国産なのが最大の特長。
摂取目安量は1日に200mlとなります。
キッコーマンソイフーズ「(株)「特濃調製豆乳」
キッコーマンソイフーズ株式会社の「特濃調製豆乳」は、同社の「調製豆乳」と比べ、大豆固形分が10%増量されています。
その特徴は
- 大豆たんぱく質が200mlあたり6.7g
- 大豆固形分が8%
というもの。
また、大豆イソフラボンアグリコンとして大豆イソフラボンが30mg含まれています。
この「特濃調製豆乳」は『血清コレステロールを下げる働き』から特定保健用食品としての表示が許可されています。
わたしはこの「特濃調製豆乳」を習慣的に飲んでいるのですが、味わいは通常の豆乳よりもトロトロしていて濃厚です。
しかし、調製豆乳なので飲みやすく、そのままでも美味しく味わえる豆乳だと感じます。
日本人間ドック検診協会が推奨する豆乳として、食生活改善のサポートが期待されています。
そもそも「コレステロール」とは
コレステロールを下げるトクホの豆乳をご紹介しましたが、そもそも「コレステロール」とは何なのでしょう?
また、コレステロールを下げるメリットとは?などコレステロールの基本をまとめていきます。
コレステロールとは
コレステロールは体に欠かせない脂質の1つです。
そのコレステロールには以下↓の3つを作る働きがあります。
- 細胞膜
- 胆汁酸
- ホルモン(副腎皮質ホルモン・性ホルモンなど)
何となく肥満の原因など人体に有害だと思い込まれていますが、人が健康に過ごすためには欠かせない成分です。
そんなコレステロールは大きく2種類に分かれます。
コレステロールの種類
コレステロールには『LDLコレステロール』と『HDLコレステロール』の2種類に分けられます。
LDL(低比重リポタンパク質)コレステロールにはコレステロールを肝臓から体全体に運ぶ役割があります。
この体にコレステロールを貯めるという働きにより、LDLコレステロールは『悪玉』コレステロールとも呼ばれています。
一方、HDL(高比重リポタンパク質)コレステロールは体内の血管壁に付いたコレステロールを肝臓へ運ぶ役割があります。
LDL:肝臓⇒体全体へ、HDL:体全体⇒肝臓へ と流れが反対になっていますね。
体のコレステロールを回収するという働きからHDLコレステロールは『善玉』コレステロールと呼ばれています。
※参考 コレステロール e-ヘルスネット
コレステロールを下げるメリットとは?
コレステロールを下げるメリットは動脈硬化の予防につながることです。
動脈硬化は、過剰なLDLコレステロールが血管壁にくっつき&溜まってコブができることにより引き起こされます。
コブにより血管が狭まることで血流が悪化、動脈硬化が進行してしまうのです。
コレステロールが高くなる食べ物とは?
コレステロールのうち、LDLコレステロールは動物性脂質に多く含まれます。
よって、この動物性脂質が含まれる食品をたくさん食べることでLDLコレステロールは高くなってしまいます。
動物性脂質とは肉の脂身や牛脂、バターなど動物性食品から取れる脂質のこと。
これらを使ったスイーツ類や、卵にも多く含まれます。
また、この動物性脂質には血中コレステロール値を上げる飽和脂肪酸が多く含まれるのも特徴。
動物性脂質は直接的にコレステロールを増やし、コレステロールを上げる作用がある飽和脂肪酸を多く含むので、コレステロールを下げたい方はまず動物性脂質の量を控えることが重要になります。
ちなみに、油の中でもサラダ油やオリーブオイルなどの植物性脂質は不飽和脂肪酸と呼ばれ、コレステロール値を下げる働きがあります。
いつも使っている動物性脂質を植物性脂質へ変えるだけでも効果がありそうですね。
この飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸を見分ける方法は冷やすだけ!
冷蔵庫など気温が低い環境で固まる油脂は「動物性脂質」、固まらずにサラサラの油脂は「植物性脂質」となります。
※参考 脂質異常症 e-ヘルスネット
コレステロールは少なすぎてもNG
動脈硬化のリスクを高めるコレステロール。
しかし、血液中のコレステロール濃度が低すぎても健康リスクが高まります。
コレステロールは本来、細胞膜のもとになる成分。
そのためコレステロールが極端に減少すると、細胞膜が正常に作られず脳出血の原因につながります。
やはり、コレステロールは摂りすぎないようにすることを心がけた方が良さそうですね。
コレステロールを下げる成分とは?
ここまで「コレステロールとはなんたるか」についてまとめてきました。
簡単にまとめると、コレステロールは増え過ぎると動脈硬化のリスクを高めるので下げた方が良いということになります。
そんなコレステロールを下げる成分として豆乳に含まれるのが「大豆たんぱく質」です。
大豆たんぱく質には、一部が腸管内で胆汁酸と結合し、そのまま一緒に排出させるという働きがあります。
排出されると、腸管内の胆汁酸が減少。
減った胆汁酸を新たに作るため、血中のコレステロールを集めて肝臓へ運ぶ量が増えます。
これによって血中のコレステロールが減少する、ということです。
コレステロールを有効活用させることで血中コレステロール濃度の減少につながるのですね。
この「コレステロールを下げる」働きは、コレステロールが正常値である方が飲んでも下がりすぎることはないので安心してください。
ここまで、豆乳がコレステロールを下げる理由についてまとめました。
豆乳の大豆たんぱく質は、ただ単にコレステロールを排出させるのではなく、本来の役割を与えることで血中コレステロール濃度を下げること分かり、納得ですね。
動脈硬化を予防したい、という方はぜひ食生活に豆乳を取り入れてみましょう。