秋に美味しい「カボチャ(南瓜)」と「サツマイモ(薩摩芋)」。
甘くて煮物にすると美味しい、という共通点を持つカボチャ・サツマイモですが、よりダイエット向きなのはどちらなのでしょう?
カロリーや糖質など栄養価を比較すると意外な結果となりました!
さらに、カボチャ・サツマイモの違いや共通点、ダイエット活用法もまとめています。
カボチャ・サツマイモの栄養価を比較
まずは、カボチャとサツマイモの栄養価を比較します。
カボチャ・サツマイモの栄養価はそれぞれ
- カボチャ: 野菜類/(かぼちゃ類)/西洋かぼちゃ/果実/生
- サツマイモ:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮
の数値となります。
いずれも『生』の状態で皮付き、100gあたりの数値です。
カボチャ・サツマイモの栄養価を比較します。
栄養素 | カボチャ | サツマイモ |
---|---|---|
エネルギー | 78kcal | 127kcal |
水分 | 76.2g | 64.6g |
たんぱく質 | 1.9g | 0.9g |
脂質 | 0.3g | 0.5g |
炭水化物 | 20.6g | 33.1g |
食物繊維 | 3.5g | 2.8g |
糖質 | 17.1g | 30.3g |
まず、エネルギー(カロリー)はカボチャが78kcal、サツマイモが127kcalと、サツマイモの方が約1.6倍もカロリーが多いという結果になりました。
思っていた以上に差が開きましたね。
また、炭水化物を見てみると、カボチャは20.6g、サツマイモは33.1g。
サツマイモがカボチャより約1.6倍も炭水化物が多く含まれる、という結果に。
よって、カロリーと炭水化物の含有量が見事に比例していることが分かりますね。
ちなみに食物繊維はカボチャが3.5g、サツマイモが2.8gとほとんど差がありませんでした。
さらに炭水化物から食物繊維を除いた『糖質』の量を比較するとカボチャは17.1g、サツマイモは30.3gとなり、その差は約1.77倍でした。
つづいて、カボチャとサツマイモのビタミン・ミネラルの数値を一気に見ていきます。
カボチャ・サツマイモのビタミンを比較
カボチャとサツマイモに含まれるビタミン量を比較します。
栄養素 | カボチャ | サツマイモ |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 2600μg | 40μg |
ビタミンB1 | 0.07mg | 0.10mg |
ビタミンB2 | 0.08mg | 0.02mg |
ナイアシン | 1.4mg | 0.6mg |
ビタミンB6 | 0.23mg | 0.20mg |
葉酸 | 42μg | 49μg |
ビタミンC | 43mg | 25mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 5.2mg | 1.0mg |
表を見ると、おおむねカボチャの方がビタミンが豊富という結果に。
その中で圧倒的に差が開いたのは『βカロテン(ビタミンA)』。
100gあたりの数値はカボチャが2600μgだったのに対し、サツマイモは40μgと65倍もの大差となりました。
100gあたりβカロテンが600μg以上含まれる野菜は緑黄色野菜に分類されるので、カボチャは堂々と緑黄色野菜を名乗れます。
また、サツマイモは600μg未満なので淡色野菜です。
その他に差が開いたのは『ビタミンE』の数値。
カボチャは100gあたり5.2mgでしたが、サツマイモは1.0mgなので、そのまま5.2倍も差が開いています。
高い抗酸化作用を持つビタミンE。
そんなビタミンEの1日あたりの摂取目安量は男性は6.5mg、女性は6.0mgです。
つまり、女性であれば、115gほどのカボチャを食べれば1日あたりの摂取目安量をクリアできます。
肌や体全体の老化を予防できる抗酸化ビタミン・ビタミンEを効率良く摂取するのにカボチャはオススメですね。
カボチャ・サツマイモのミネラルを比較
カボチャ・サツマイモのミネラルを比較します。
栄養素 | カボチャ | サツマイモ |
---|---|---|
ナトリウム | 1mg | 23mg |
カリウム | 430mg | 380mg |
カルシウム | 22mg | 40mg |
マグネシウム | 25mg | 24mg |
リン | 48mg | 46mg |
鉄 | 0.4mg | 0.5mg |
ミネラルはカボチャ・サツマイモともにバランス良く含まれていますね。
ただ、特筆するほど多く含まれている栄養素がないのも事実となります。
【まとめ】カボチャ・サツマイモの栄養価比較
- サツマイモはカボチャに比べ
- カロリー・炭水化物が約1.6倍多い
- 糖質は約1.77倍多い という結果に
- カボチャは緑黄色野菜、サツマイモは淡色野菜
- カボチャはビタミンEが豊富
- ミネラルはどちらもバランス良く含まれる
以上のことから、サツマイモよりカボチャの方がダイエット向きであると言えます。
ここからは、そんなカボチャとサツマイモの違い・共通点について、掘り下げていきます。
カボチャとサツマイモの違い・共通点
カボチャとサツマイモの違いと共通点ついてまとめます。
カボチャ・サツマイモの違い
カボチャとサツマイモの大きな違いは『分類』です。
カボチャはウリ科カボチャ属の果菜、サツマイモはヒルガオ科サツマイモ属の多年生植物となります。
カボチャの『果菜』とは果実や種子を食べる野菜のこと。
また、サツマイモは根(塊根)を食べる野菜、芋です。
膨らんだ根っこの一部を食べる野菜となります。
分類 | 食べる部分 | |
---|---|---|
カボチャ | ウリ科カボチャ属 | 果実 |
サツマイモ | ヒルガオ科サツマイモ属 | 塊根 |
カボチャ・サツマイモの共通点
カボチャとサツマイモは美味しくなる時期、つまり旬の時期が同じ秋の『秋野菜』となります。
たしかに、カボチャ・サツマイモはどちらも秋にスーパーで安く販売されているイメージですね。
しかし、収穫時期は異なり、カボチャは夏に、サツマイモは秋に収穫されるのが主流です。
カボチャは初夏の5月ごろから初秋の9月ごろまでが収穫の最盛期。
一方で、サツマイモは品種によって違いはありますが、大抵は9月ごろから11月ごろの秋が収穫期。
涼しい季節で、霜が降りるまで、寒さが本格化する寸前に収穫を終えるのが理想です。
そんなカボチャ・サツマイモの共通点は貯蔵すると甘みを増すこと!
貯蔵とは収穫してから一定期間、風通しが良く日が当たらない場所へ置いておくことです。
貯蔵することで程よく水分が抜け、保存性が高まるとともに、甘みもアップ。
夏に収穫されるカボチャですが、秋に流通が増えるのは貯蔵期間を経ているからです。
また、サツマイモも大抵は貯蔵(熟成)期間を経て出荷されます。
ただし、カボチャもサツマイモも、家庭で栽培したものや頂き物などは、収穫してすぐなので熟成していません。
よって最低でも2週間ほどは自宅で貯蔵するのがオススメ!甘みが増えおいしく食べられます。
カボチャ・サツマイモのダイエット活用法
カボチャとサツマイモのダイエット活用法です。
1日あたりに食べる量は○gまで
カボチャ・サツマイモを食べる量は1日あたりに100gほどを目安にしましょう。
これは糖質の摂りすぎを防ぐための目安量です。
『ロカボ』を標榜している一般社団法人 食・楽・健康協会は1日における適正糖質を70~130g以内としています。
糖質の摂取量は1食あたりで20~40g以内、さらに間食は10g以内を目安にした数値です。
先ほど紹介したカボチャ・サツマイモの糖質量は100gあたりで
- カボチャ:17.1g
- サツマイモ:30.3g
となっていました。
このようにカボチャ・サツマイモはどちらも糖質量が多いため、食べ過ぎは糖質の摂りすぎに!
ダイエット成功を目指すなら、摂取量に気を付けるべきでしょう。
100gあたりの大きさは、サイズにもよりますが
- カボチャ:1/8弱
- サツマイモ:1/3~1/2
ほどとなります。
このくらいの量を目安に食べ過ぎないよう気を付けましょう。
煮物は注意!油の使い過ぎも
カボチャやサツマイモを使った料理の代表と言えば「煮物」ですよね。
甘くてホクホクの甘煮はまるでスイーツのような美味しさ。
けれども、カボチャ・サツマイモの甘煮には想像以上に砂糖を使います。
また、キンピラなど炒め物も注意が必要!
カボチャ・サツマイモはどちらも油をよく吸ってしまうので、ついつい油を多く使いがちに。
砂糖と油、この両方と相性が抜群なのがカボチャ・サツマイモの良さでもあり、ダイエット的には悩ましい部分でもあります。
したがって、カボチャ・サツマイモを料理に使うときは砂糖や油の使い過ぎには注意しましょう。
具体的な対策としては
- レシピ通り&いつもよりも砂糖を少なめに
- 油を使わなくても良い料理に
などとなり、オススメなのは砂糖も油も不要な電子レンジでの加熱です。
茹で汁を使わないので調味料も少なく済み、油も必要ないのでカロリー・脂質もOFF。
さらに時短OKという手軽さも相まって、忙しい毎日にも作りやすいのが特徴です。
カボチャ・サツマイモを「主食」にする
カボチャ・サツマイモは糖質が多めの野菜・芋です。
野菜としては糖質が多め、しかし主食にしてしまえば糖質は低めになります。
ご飯の糖質は100gあたり35.6g。
ご飯は1杯あたり約150gとなり、この場合の糖質は53.4gとなります。
そのため白米の代わりとしてカボチャ・サツマイモを食べることで気軽に糖質をカットできます。
カボチャ・サツマイモの方が少量でもお腹に溜まりやすいのもダイエット向きなポイント。
ビタミン・ミネラルなどご飯には少ない栄養価が高いのもメリットですね。
ただ、デメリットとしてカボチャ・サツマイモの方がお金がかかることが挙げられます。
それでも、ダイエット食品を試すことと比べれば安いため、始めやすいダイエットとして「カボチャ・サツマイモの主食置き換えダイエット」はオススメできます。
ここまで、カボチャ・サツマイモの栄養価などの違いや共通点、ダイエット活用法についてまとめました。
秋に美味しいカボチャ・サツマイモは食べ過ぎは注意!
しかし、美味しく、栄養価も高いので、適量を守って秋の食卓に取り入れていきましょう♪