エネルギー(カロリー)における1日あたりの摂取目安量は、成人(18~69才)の場合
- 男性:2200kcal±200kcal
- 女性:1400~2000kcal
です。
数値に幅があるのは、人によって活動量が異なるため。
活動量は「身体活動レベル」にて『高い』『ふつう』『低い』の3段階に分けられます。
高い | 立ち仕事・移動が多い仕事、または活発な運動習慣を持っている人。 |
ふつう | 座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩をする人。 |
低い | 一日のうち、座っていることがほとんどの人。 |
日本人のほとんどは身体活動レベルが「低い~ふつう」に分類されます。
この身体活動レベルごとのエネルギーの摂取目安は、成人の場合で
- 男性
- 低い:2000~2400kcal
- ふつう以上:2400~3000kcal
- 女性
- 低い:1400~2000kcal
- ふつう以上:2000~2400kcal
となります。
出典:農林水産省Webサイト 実践食育ナビ 食事バランスガイド早分かり
摂取目安量の範囲で食べられる量とは
1日あたりの摂取エネルギー目安量の範囲で食べられる量は、農林水産省が発表した1日あたりの摂取目安エネルギーごとの適量を示した表により確認できます。
このうち「○~△つ」の「~つ」は『SV(サービング)』という食事バランスガイド特有の単位で表されます。
『SV』の単位は料理グループごとに「1つ」の目安となる量が定められています。
ここでは、そんな代表的な料理グループの単位をまとめていきます。
主食(ごはん、パン、めん類)
ご飯やパン、めん類など炭水化物のグループです。
主食における<1つ>は
- ごはん・茶碗小盛り
- おにぎり1個
- 食パン1枚
- ロールパン2個
に換算されます。
<1.5つ>はご飯・茶碗中盛りの量。
<2つ>は
- うどん1杯
- 盛りそば1杯
- スパゲッティ1食分
です。
<1つ>の基準は穀類に由来する炭水化物およそ40gです。
目安量はいずれも1日3食、毎食ごはん・中盛り以上が食べられる量です。
そう考えると、1日あたり主食はけっこう食べられるのですね。
丼ものなどの考え方
親子丼・中華丼などの丼ものや、ご飯にかけて食べるカレーライスなど複数の料理グループが1つにまとまっている料理の考え方です。
丼ものなどは同じ料理グループごとにまとめて『SV』を換算します。
例えば、親子丼には
- 主食=ごはん
- 副菜=玉ねぎ・三つ葉など
- 主菜=鶏肉・卵
といった具材が含まれているので、主食・副菜・主菜の3グループからそれぞれの量を換算していきます。
副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)
野菜やいも、大豆を除く豆類、きのこ、海藻などを主材料とする料理グループです。
ビタミン・ミネラルや食物繊維が多く含まれるグループでもあります。
副菜の<1つ>は野菜小鉢・1食分ほど。
野菜サラダやおひたし、酢の物に具だくさんの味噌汁などが分類されます。
副菜の<2つ>は野菜炒め、野菜の煮物など、小鉢よりもボリュームがある野菜料理です。
<1つ>の基準は主材料の重量およそ70gです。
野菜ジュースは重量の1/2にした量で換算します。
ただし、野菜ジュース・200mlは1回で飲みきれる量なので<1つ>と換算されます。
また、味噌汁・スープは野菜がたくさん入ったものは「副菜」に分類されますが、卵・1個が入った時点で「主食」にも分類されます。
主菜(肉、魚、卵、大豆料理)
肉や魚、卵、大豆料理など、たんぱく質の主な供給源となる料理グループです。
単位と主な料理をまとめると
- <1つ>卵・大豆料理
- 冷や奴
- 納豆
- 目玉焼き
- <2つ>魚料理
- 焼き魚
- 煮魚
- 刺身
- <3つ>肉料理
- ハンバーグ
- 豚肉の生姜焼き
- 鶏肉の唐揚げ
となります。
<1つ>の基準は主原料に由来するたんぱく質およそ6gです。
牛乳・乳製品
牛乳・ヨーグルト・チーズなど、カルシウムの供給源となる料理グループです。
<1つ>は牛乳・100ml、チーズ1かけ、スライスチーズ1枚、ヨーグルト1カップなど。
<2つ>は牛乳・200mlとなります。
<1つ>の基準は牛乳・乳製品に由来するカルシウムおよそ100mgです。
摂取目安は2つ(子どもは2~3つ)なので、牛乳・200mlを飲めば目安量に達します。
果物
りんご・みかんなどフルーツの料理グループです。
ビタミンCやカリウムの供給源として大切なグループですね。
果物の<1つ>は、みかんなど小ぶりなフルーツは1個分、りんごなど大きめのフルーツは半個分です。
<1つ>の基準は果物の重量およそ100gです。
果汁100%ジュースは重量を1/2した量で『SV』を換算します。
つまり果汁100%・200mlは重量およそ100gに換算されるので<1つ>となります。
嗜好品について
お菓子や嗜好飲料は「食生活の楽しみ」として捉えられ、適度に摂取することが目安とされています。
もちろん食べ過ぎはダメです。
ちなみに嗜好飲料とは
- 茶類
- コーヒー
- 清涼飲料
- 炭酸飲料
- ジュース・果汁入り飲料
- スポーツドリンク
が挙げられます。
水分必要量とは
人間は1日あたり2.5リットルもの水分が必要とされています。
このうち、食品から摂取されるのは約1リットル、飲料から摂取されるのは約1.5リットルとのこと。
水分摂取は人間が生きていくために欠かせません。
しかし、飲料のうち前項「嗜好品について」でご紹介した嗜好飲料はエネルギー・糖類の数値が高いものが多く、飲み過ぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めます。
他の嗜好品と同じく、適度に楽しむことが大切ですね。