脂肪の燃焼や代謝アップにつながる「ダイエット中のたんぱく質摂取」はとても重要です。
そんなたんぱく質はダイエット中には一日あたり何グラムくらい必要なのでしょうか?
必要なたんぱく質量の目安と、最低限摂るべき量、さらに摂りすぎラインも調べました。
また、どんな食品にたんぱく質がどのくらい含まれているのかも調査!
鶏肉・豚肉・牛肉や魚、卵に大豆製品まで、たんぱく質が多く含まれている食品をpick upしまとめています。
ダイエット中に必要なたんぱく質量
ダイエット中には一日あたり「体重1kgにつき1.5g前後のたんぱく質」を摂取するのがオススメです。
つまり、体重が50kgの方の場合、50×1.5gなので、一日あたりのたんぱく質量の目安は75gほどとなります。
【基本】たんぱく質の摂取基準は?
たんぱく質の摂取基準(推奨量)は、一般的な成人の場合、一日あたり体重1kgにつき1gが目安です。
つまり、体重50kgの方は一日あたり50gのたんぱく質を摂るべきとされています。
ただ、この目安量は運動量や妊娠など身体の状態によって大きく異なります。
体や筋肉を酷使するアスリートはおおむね体重1kgにつき1.5g前後。
妊娠中の女性は通常量に5~20gを追加して摂取することが推奨されています。
一日に必要なたんぱく質の量<下限>
たんぱく質は一日あたり体重1kgにつき0.8g以上が必要とされています。
つまり、体重50kgの方は、一日あたり40g以上のたんぱく質を摂る必要があります。
たんぱく質が足りないと、体力や免疫力など体の機能が低下。
病気にかかりやすい体になります。
また、筋肉量が減り、代謝が落ちるため痩せにくい体質になりかねません。
たんぱく質はどのくらいから摂りすぎ?<上限>
たんぱく質は一日あたり体重1kgにつき2g以上だと過剰摂取とされています。
つまり、体重50kgの方は、1日あたり100g以上だと摂りすぎです。
たんぱく質を摂り過ぎると腎臓が酷使され、腎機能の低下を引き起こします。
そのため、すでに腎機能が低下している糖尿病や腎臓疾患を抱えている方などはたんぱく質を摂り過ぎないことが重要です。
食品に含まれるたんぱく質量とは?
ここからは、主な食品、特にたんぱく質が豊富に含まれていそうな食品のたんぱく質量をまとめていきます。
これより記載の数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年を参考にしています。
また、数値はいずれも食品100gあたりに含まれるたんぱく質の量です。
鶏肉のたんぱく質量
まずは鶏肉100gあたりのたんぱく質量です。
いずれも生(加熱前)の数値となります。
鶏胸肉・皮付き | 21.3g |
鶏胸肉・皮なし | 23.3g |
鶏もも肉・皮付き | 16.6g |
鶏ささみ | 23.9g |
手羽先・皮付き | 17.4g |
手羽元・皮付き | 18.2g |
鶏肉は「ささみ」が最もたんぱく質が多く、次いで「皮なしの鶏胸肉」、いちばん少ないのは「鶏もも肉」という悔過になりました。
ダイエットには「ささみ」や「鶏胸肉」がオススメ!とよく言われますが、そのイメージ通りの結果ですね。
鶏肉のうちたんぱく質摂取にオススメなのは「ささみ」と「皮なしの鶏胸肉」です。
ささみや胸肉は脂肪分が少ないため量を食べやすいのもポイント。
50gを1日あたりの目安量とすると、ささみ・胸肉なら200gほど食べるだけで目安を達成できます。
200gはささみなら4~5本ほど、胸肉は1/2枚ほどと食べやすい量と言えます。
さらに、鶏肉は比較的リーズナブルなのでダイエットに取り入れやすく、続けやすいのもポイント!
手っ取り早くたんぱく質を摂りたい方にオススメと言えますね。
豚肉のたんぱく質量
つづいて、豚肉100gあたりのたんぱく質量です。
いずれも生(加熱前)の数値となります。
※「肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]」の脂身付き、生で比較しています。
肩ロース | 17.1g |
ロース | 19.3g |
バラ | 14.4g |
モモ | 20.5g |
ヒレ | 22.2g |
豚肉のたんぱく質は「ヒレ」が最も多く、「バラ」が最も少ないという結果になりました。
100gあたりで8gほども差があるとは結構驚きですね。
また、ヒレとバラでは脂質の量にも大きな差が!
100gあたりの脂質量は豚ヒレ肉・3.7gに対し、豚バラ肉はなんと35.4g。
実に脂質量では10倍弱もの差が出ています。
豚肉の部位ごとのたんぱく質量と脂質量はほぼ反比例する傾向があり、たんぱく質が多いほど脂質は少なく、反対にたんぱく質が少ないほど脂質は多くなります。
豚肉のうちたんぱく質摂取にオススメなのは「ヒレ」と「モモ」、「ロース」となります。
肩ロースやバラを食べるときは脂身の部分を切り落とすなど、できるだけ脂肪を摂らないようにすると良いでしょう。
牛肉のたんぱく質量
つづいて、牛肉100gのたんぱく質量です。
※いずれも生(加熱前)で「肉類/<畜肉類>/うし/[輸入牛肉]」の部位ごと・脂身付きの比較となります。
肩 | 19.0g |
肩ロース | 17.9g |
サーロイン | 17.4g |
バラ | 14.4g |
もも | 19.6g |
豚肉の部位と同じように「もも」はたんぱく質が多め、「バラ」は少なめという結果に。
また、全体的に脂肪が多いため、それに反比例したんぱく質量も少なめになっています。
ただし、同じ牛肉の部位でも、脂身なしの「赤身」のたんぱく質量では変わります。
肩・赤身 | 20.4g |
肩ロース・赤身 | 19.7g |
サーロイン・赤身 | 22.0g |
もも・赤身 | 21.2g |
※バラの赤身の数値は記載がありませんでした。
また脂質は、いずれも脂身付きに比べ、赤身は半分以下にまで減ります。
牛肉は「もも」や「サーロイン」の赤身肉を選ぶと良いでしょう。
卵のたんぱく質量
つづいては卵100gあたりのたんぱく質量です。
卵は「全卵」の生卵・茹で玉子と、卵黄のみ、卵白のみに分けて調べました。
ちなみに、卵は1個あたり50gほどなので、100gは卵2個分くらいが目安です。
全卵・生 | 12.2g |
全卵・ゆで | 12.5g |
卵黄・生 | 16.5g |
卵白・生 | 10.1g |
最もたんぱく質量が多いのは「卵黄のみ」、少ないのは「卵白のみ」となりました。
しかし、注目すべきは脂質の量。
脂質は全卵が10.2g、卵黄は34.3gですが、卵白は計上できないほど微量です。
卵黄は全体の1/3が脂質なのですね・・・。
一方で卵白には脂質が含まれず、エネルギーも卵黄の336kcalに対し、卵白は44kcalと大きく差が開きました。
といっても、卵黄は栄養バランスに優れ、ビタミン・ミネラルも豊富です。
摂りすぎは禁物ですが、むしろ積極的に摂っていきたい食品と言えます。
魚のたんぱく質量
つづいては魚100gあたりのたんぱく質量です。
家庭でよく食べられる魚を独断と偏見でピックアップしてみました。
かたくちいわし | 18.2g |
メカジキ | 19.2g |
紅鮭 | 22.5g |
塩さば | 26.2g |
さんま | 18.1g |
キハダマグロ | 24.3g |
魚は全体的にたんぱく質が多め。
特に、塩さばは200g食べれば目安量の50gをゆうに超える豊富さです。
また、いわゆる「脂がのっている」魚であるさんまは脂質も多く、たんぱく質も少なめ。
といっても、魚の脂質の量は肉と比べると少なめですし、焼くと少し落ちます。
魚はさばや鮭など淡白な白身魚を中心に食べるのがオススメです。
大豆製品のたんぱく質量
最後は大豆製品100gあたりのたんぱく質量です。
木綿豆腐・絹豆腐は1パックあたり300~400g、充填豆腐は150gほど。
高野豆腐(凍り豆腐)は乾物ではなく食べられる状態の水煮の数値となります。
また、油揚げは1枚あたり15~20gほど、納豆は1パックあたり60gほどが目安となります。
この量を参考に100gあたりのたんぱく質量を確認しましょう。
木綿豆腐 | 7.0g |
絹豆腐 | 5.3g |
充填(てん)豆腐 | 5.0g |
高野豆腐・水煮 | 10.7g |
大豆水煮・缶詰 | 12.9g |
油揚げ | 23.4g |
納豆(糸引き) | 16.5g |
穀物である大豆製品は肉や魚と比べればたんぱく質量が少なめで、炭水化物・糖質が多め。
しかし、エネルギーは低く、脂質の量は少なめというメリットも。
また、大豆製品は貴重な植物性たんぱく質が効率良く摂れる食品でもあります。
大豆製品は副菜やおかずのかさ増しに使いやすく、プラス1品にオススメ。
肉や魚だけではたんぱく質が足りない、と感じたときにプラスできるのも大豆製品のポイントですね。