鶏肉の中でも定番の部位である「鶏胸肉(とりむねにく)」と「鶏もも肉」。
鶏胸肉はさっぱりヘルシー、鶏もも肉はコクがあり美味しいので、ダイエットには鶏胸肉の方がオススメというイメージがありますが、この印象は正しいのでしょうか?
そこで、鶏胸肉と鶏もも肉の栄養価を比べ、よりダイエット向きな部位を確認してみました!
また、鶏肉の脂質を減らす『ある工程』についてもまとめています。
鶏胸肉・鶏もも肉の栄養価を比較

鶏胸肉と鶏もも肉100gあたりの栄養価を比較します。
- 鶏胸肉:肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・主品目]/むね/皮なし/生
- 鶏もも肉: 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・主品目]/もも/皮つき/生
鶏胸肉・鶏もも肉はいずれも『若鶏』で、鶏胸肉は『皮なし』の栄養価となります。
<基本>鶏胸肉・鶏もも肉の栄養価を比較
まずは、100gの鶏胸肉・鶏もも肉に含まれる基本の栄養価です。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏もも肉 |
---|---|---|
エネルギー | 105kcal | 190kcal |
水分 | 74.6g | 68.5g |
たんぱく質 | 23.3g | 16.6g |
脂質 | 1.9g | 14.2g |
炭水化物 | 0.1g | 0g |
食物繊維 | 0g | 0g |
鶏胸肉と鶏もも肉、同じ鶏肉にもかかわらず栄養価に大きな差が見られました。
まず、100gあたりのエネルギーは鶏胸肉が105kcalに対し、鶏もも肉は190kcalと約1.8倍。
たんぱく質では、鶏胸肉は23.3gで、鶏もも肉は16.6gと胸肉の70%ほど。
そして、もっとも大きな差が現れたのは「脂質」。
脂質は鶏胸肉の1.9gに対し、鶏もも肉は14.2gとおよそ7.5倍も多い量となりました。
鶏胸肉は鶏もも肉に比べカロリー・脂質が低く、たんぱく質が豊富なので、鶏もも肉よりダイエット向きな食品と言えますね。
<ビタミン>鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
つづいて100gの鶏胸肉・鶏もも肉に含まれるビタミンです。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏もも肉 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.10mg | 0.10mg |
ビタミンB2 | 0.11mg | 0.15mg |
ナイアシン | 12.0mg | 4.8mg |
ビタミンB6 | 0.64mg | 0.25mg |
ビタミンB12 | 0.2μg | 0.3μg |
葉酸 | 13μg | 13μg |
ビタミンC | 3mg | 3mg |
ビタミンD | 0.1μg | 0.4μg |
ビタミンE | 0.3mg | 0.8mg |
鶏胸肉と鶏もも肉のビタミン含有量に大差はありませんでした。
その中で、差が開いたのは「ナイアシン」と「ビタミンB6」2栄養素。
ビタミンB群の一種であるナイアシンは、体内で糖質・脂質・たんぱく質の代謝をサポートする『補酵素』として働きます。
ナイアシン1日あたりの摂取推奨量は、男性が14~15mg、女性が11~12mgなので、鶏胸肉100gを摂取するだけでOK!
※ナイアシンは、日本人の場合、欠乏することはほとんどありません。
つづいて、ビタミンB6はたんぱく質の新陳代謝に関わる栄養素です。
※ビタミンB6は米に多く含まれるため、米食が多い日本人の場合は欠乏することは珍しいとされます。
<ミネラル>鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
最後は、100gの鶏胸肉・鶏もも肉に含まれるミネラルです。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏もも肉 |
---|---|---|
ナトリウム | 45mg | 62mg |
カリウム | 370mg | 290mg |
カルシウム | 4mg | 5mg |
マグネシウム | 29mg | 21mg |
リン | 230mg | 170mg |
鉄 | 0.3mg | 0.6mg |
鶏胸肉と鶏もも肉100gあたりに含まれるミネラルはあまり差がありませんでした。
ただ、鉄は鶏もも肉が0.6mg、鶏胸肉が0.3mgと2倍も多く含まれます。
しかし鶏肉における鉄の含有量はそもそも多くないため、ほかの食材から摂るのが望ましいでしょう。
【まとめ】鶏胸肉・鶏もも肉の栄養価の違いについて
鶏胸肉と鶏もも肉は、ビタミン・ミネラルの含有量に目立った差は見られませんでした。
しかし、カロリーや脂質は鶏もも肉が多く、一方でたんぱく質は鶏胸肉の方が豊富なため、ダイエットには「鶏胸肉」が断然オススメです。
また、鶏胸肉・鶏もも肉と並びよく使われる「鶏ささみ」は鶏胸肉の数値とほとんど同じ。
したがって、鶏もも肉と鶏ささみを比べても、鶏ささみの方がダイエット向きと言えます。
鶏もも肉の脂質をカットする料理法
鶏もも肉はカロリーが高めで脂肪も多めであることが分かりました。

しかし、鶏もも肉は柔らかく、鶏肉独特のコクがあり、料理に使うととっても美味しいお肉ですよね。
そこで、鶏もも肉を美味しく、脂質をカットする方法をまとめます。
鶏もも肉の脂肪が多い理由とは?
鶏もも肉に脂肪が多い理由は「脂肪が多い皮が占める割合が高い」ため。
上記の表では鶏胸肉は『皮なし』であるのに対し、鶏もも肉は『皮つき』の数値となります。
これは、皮が剥がしやすいか否かで私が勝手に判断したのですが、鶏もも肉の鶏皮を剥がすと栄養価は↓のように変わります。
栄養素 | 鶏胸肉・皮なし | 鶏もも肉・皮なし |
---|---|---|
エネルギー | 105kcal | 128kcal |
水分 | 74.6g | 72.3g |
たんぱく質 | 23.3g | 22.0g |
脂質 | 1.9g | 4.8g |
炭水化物 | 0.1g | 0g |
食物繊維 | 0g | 0g |
※鶏もも肉・皮なし:肉類/<鳥肉類>/にわとり/[親・主品目]/もも/皮なし/生

皮がない鶏もも肉は、皮がない鶏胸肉に近い栄養価となりました!
皮なし鶏もも肉100gあたりのエネルギー(カロリー)は128kcal、たんぱく質は22.0g、そして脂質は4.8gとなります。
この数値は皮あり鶏もも肉と比べ、カロリーは約33%、脂質は約66%OFFとなります。
さらに、たんぱく質は約1.3倍に増加!
鶏もも肉を料理するときは「皮を取り除く」とダイエット向きですね。
ちなみに、鶏胸肉の皮も同じくカロリーが高め&脂肪が多めなので、取り除くのがオススメです。
鶏もも肉の皮を取り除く方法
カロリーと脂質がたっぷり含まれた鶏もも肉の皮を剥がす方法です。
鶏もも肉の皮は、鶏胸肉の皮と違いしっかり付いているので剥がしにくいのがデメリット。
皮が途中でちぎれないよう、丁寧に剥がすことを心がけましょう。
そんな鶏もも肉の皮の剥がし方を手順ごとにまとめます。
- 皮ともも肉のすき間に包丁の刃を入れ、少し剥がす
- 剥がれた皮の部分を手で持つ
- 包丁の背でもも肉を押さえる
- そのまま皮を手で引っ張り、ゆっくり剥がしていく
包丁の背でメリメリと皮を剥いでいくようにすると失敗しにくいです。
脂肪のかたまり・筋を切るとより食べやすい
鶏もも肉の表面に付いている薄黄色のかたまりは「脂肪」です。
脂肪は取れる限り、包丁で取り除くのがオススメ。
また、鶏もも肉は筋が多い部位。
筋は加熱すると固くなり食感を損なうため、筋は取り除くか長いものは断ち切ると肉の縮みを予防できます。
取り除いた鶏皮の活用法
カロリー・脂肪が多いため取り除かれた鶏皮はもったいないのでしっかり活用しましょう。
個人的にオススメの活用法は、その日の味噌汁やスープの具材として使うこと。
脂肪が多い鶏皮ですが、脂肪が多い分コクがあり、汁物への旨みをプラスするのにピッタリ。
少量でも深い味わいを実現できる上に、手間がいらないのが一番です。
また、その日のうちに使えない場合は一枚ずつ広げてから冷凍するのもオススメ。
ラップで上下を挟み、冷凍庫へ入れるだけなのでこれまた楽ちんです。
薄い鶏皮は凍ったままでも包丁やキッチンばさみでカットできるので、解凍いらずで料理に活用できるのもポイントですね。
脂肪が多い鶏皮は朝食や昼食など、夕食以外のメニューで活用するとより効果的です。
【まとめ】鶏もも肉の脂肪をカットする方法
- 鶏もも肉は脂肪が集中している「鶏皮」を取り除くとダイエット向き
- 鶏皮は皮を引っ張りながら包丁の背で剥がす
- 剥がした鶏皮は汁物や冷凍保存がオススメ
鶏肉は皮の部分に脂肪が集中していることが分かりましたね。
こってりして美味しい鶏皮ですが、よりダイエット成功を目指すなら下処理として取り除くのがベスト!
残った鶏皮も後日しっかり活用して、無駄なく罪悪感もなく美味しくいたきましょう♪