ダイエット中の方が食べているイメージが強い「鶏胸肉(とりむねにく)」と「鶏ささみ」。
鶏胸肉・鶏ささみともにダイエット向きな印象ですが、よりダイエット向きなのはどちらでしょうか?
鶏胸肉と鶏ささみの栄養価からよりダイエット向きな部位を調査しました。
さらに、鶏胸肉・鶏ささみがあれば今すぐできる、手作りサラダチキンと蒸し鶏の簡単なレシピもまとめました。
鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
鶏胸肉と鶏ささみ、それぞれ100gあたりの栄養価を比較してみました。

- 鶏胸肉:肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・主品目]/むね/皮なし/生
- 鶏ささみ:肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・副品目]/ささみ/生
鶏胸肉・鶏ささみはいずれも『若鶏』で、鶏胸肉は『皮なし』の栄養価となります。
<基本>鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
まずは、100gの鶏胸肉・鶏ささみに含まれる基本の栄養価です。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏ささみ |
---|---|---|
エネルギー | 105kcal | 98kcal |
水分 | 74.6g | 75.0g |
たんぱく質 | 23.3g | 23.9g |
脂質 | 1.9g | 0.8g |
炭水化物 | 0.1g | 0.1g |
食物繊維 | 0g | 0g |
鶏胸肉・鶏ささみの栄養価はほぼ同じですね。
たんぱく質が豊富な鶏肉の中でも、鶏胸肉・鶏ささみは低脂質ながら高たんぱく質。
100gあたりのたんぱく質量は、鶏胸肉が23.3g、鶏ささみ肉が23.9g。
1日あたりのたんぱく質の摂取目安量は体重50kgの方の場合は50g。
鶏胸肉・鶏ささみのどちらかをそれぞれ200gずつ食べるだけでほぼ達成できる効率の良さですね!
また、価格は鶏胸肉が100gあたり80円前後、鶏ささみは100円前後とリーズナブルなのもポイント!
毎日続けやすいお手頃感と高たんぱく質がダイエッターから高い支持を集める理由ですね。
脂質の量を比べると
唯一大きな差が現れたのが「脂質」。
脂質は鶏胸肉が1.9gに対し、鶏ささみは0.8gと鶏胸肉の方が2倍以上多いという結果に。
また、『皮付き』の鶏胸肉100gあたりの脂質は5.9gとさらに多くなります。
鶏胸肉の皮は全体の一部に過ぎないのにここまで脂質が増えるとは、皮に脂質が集中していることが分かりますね。
- もっとも低脂質なのは「鶏ささみ」
- 鶏胸肉は『皮』に脂質が多い
<ビタミン>鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
つづいて100gの鶏胸肉・鶏ささみに含まれるビタミンです。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏ささみ |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.10mg | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.11mg | 0.11mg |
ナイアシン | 12.0mg | 12.0mg |
ビタミンB6 | 0.64mg | 0.62mg |
ビタミンB12 | 0.2μg | 0.2μg |
葉酸 | 13μg | 15μg |
ビタミンC | 3mg | 3mg |
ビタミンD | 0.1μg | 0μg |
ビタミンE | 0.3mg | 0.7mg |
鶏胸肉・鶏ささみのビタミンに関してはほぼ差がありませんでした。
<ミネラル>鶏胸肉・鶏ささみの栄養価を比較
最後は、100gの鶏胸肉・鶏ささみに含まれるミネラルです。
栄養素 | 鶏胸肉 | 鶏ささみ |
---|---|---|
ナトリウム | 45mg | 40mg |
カリウム | 370mg | 410mg |
カルシウム | 4mg | 4mg |
マグネシウム | 29mg | 32mg |
リン | 230mg | 240mg |
鉄 | 0.3mg | 0.3mg |
鶏胸肉・鶏ささみに含まれるミネラルはほとんど差がありませんでした。
ナトリウムを除き、鶏ささみの方がちょっとだけ栄養価が高いことが分かります。
【まとめ】鶏胸肉・鶏ささみのうち、よりダイエット向きなのは?
鶏胸肉・鶏ささみのうち、よりダイエット向きと言えるのは脂質が低い「鶏ささみ」でした。
ただ、鶏胸肉・鶏ささみの栄養価はほとんど同じで、大きな差はありません。
鶏ささみの方が確実にダイエット向きとも言えないので、正直、ダイエットにはどちらを選んでも大差はないでしょう。
ここからは、鶏胸肉・鶏ささみの美味しいダイエット活用法をそれぞれまとめていきます。
加熱すると硬くなりやすい、パサパサしやすいのが鶏胸肉・鶏ささみ両方の特徴であり、デメリットでもあります。
そんな鶏胸肉・鶏ささみをしっとり柔らかく仕上げ、また美味しくカロリーも抑えられる料理のコツをまとめます。
鶏胸肉のダイエット活用法

パサパサしない鶏胸肉の美味しいダイエット向け料理法です。
ここでは、低カロリーでどんな料理にもアレンジしやすい「サラダチキン」の作り方をまとめていきます。
まず注意すべきポイントを取り上げた後、料理の手順をまとめていきます。
鶏胸肉は「下味を付けてから」茹でる
鶏胸肉は「茹でる前に下味を浸ける」のがオススメです。
鶏肉がパサパサして硬い食感になるのは加熱により水分が飛んでしまうから。
そのため、水分を鶏胸肉にキープする力・保水力をアップさせることが重要です。
酒など調味料に漬け込み下味を付けると、鶏肉の表面を調味料でコーティングできます。
表面が覆われるので、鶏肉が持つ水分が逃げにくくなるとともに、調味料で水分を補給できるのでよりしっとりしたを実現できます。
下味を付ける前にフォークなどで肉の表面にまんべんなく穴を開けるとより浸透します。
さらに、チャック付き袋などに鶏肉と調味料を入れ、よく揉み込み、そのままひと晩冷蔵庫へ入れておくと、しっかり味も付きおいしく仕上がります。
下味を付けておいておけば、水の中に入れるだけでOKなのもお手軽ポイントですね。
また、この下味を付けた状態で冷凍保存しておけば、思い立ったときにサラダチキンができてオススメ!
鶏胸肉が特売しているときにまとめ買いし、一気に下ごしらえしてしまいましょう。
鶏胸肉は「そのまま茹で冷ます」のがオススメ
パサパサしない鶏胸肉の茹で方は「そのまま茹で冷ます」です。
この「そのまま茹で冷ます」とは茹でた後、火を止めてから、その茹で汁の中で静かに冷ます、ということ。
茹で汁がぬるく、手を入れても熱いと感じなくなるまで鶏肉をそのまま冷まします。
いわゆる「余熱調理」という方法で、ゆっくりと温度を下げていくことで鶏肉がしっとりと仕上がります。
茹で汁の中で冷ます時間は1時間以上がオススメ!
じっくり時間をかけて冷ましましょう。
鶏胸肉を使った「手作りサラダチキン」の材料・料理手順
手作りサラダチキンの材料と料理手順です。
まずは材料から、つづいて料理手順です。
- 皮なし鶏胸肉:1枚(300gほど)
- 酒:大さじ1
- 塩:小さじ1/2~1/3
- 砂糖:小さじ1
酒・塩・砂糖は基本、お好みで胡椒や鶏ガラスープ、辛くしたいときは一味唐辛子を少々加えるのもオススメです。
つづいて、料理の手順となります。
- 鶏胸肉の皮を剥ぎ、フォークで全面に穴を開ける
- チャック付き袋に鶏肉を入れ、さらに調味料を全て加える
- 袋の上からよく揉み込み、空気を抜いてチャックを閉める
- 冷蔵庫へ入れ1時間以上(~ひと晩)漬け込む
- この状態で冷凍してもOK
- 漬け込み後、下味を付けた鶏肉を鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れる
- 中火で火にかけ、沸騰させる
- 沸騰したら弱火にし、そのまま10分ほど茹でる
- 鶏肉を返し、また5分ほど茹でたら火を止め、鍋の蓋を閉める
- 鍋に鶏肉を入れた状態で冷めるまで置いておく
- 自然と冷めたら茹で汁から取り出し、食べやすい大きさに切り分ける
- 残った茹で汁はスープなどに活用すると美味しいです
下ごしらえ&冷ます時間が長いですが、実際に活動する時間は30分未満なので手軽ではあります。
加熱後に生の部分が残っている場合は必ず再び加熱しましょう。
切り分けて電子レンジでの加熱や、フライパンでのソテーなどお好きな方法で再加熱してください。
時間がある休日の朝からじっくり作り上げるのが便利ですよ。
鶏ささみのダイエット活用法

鶏ささみのダイエット活用法です。
鶏胸肉よりも細く、小ぶりな鶏ささみは「蒸し鶏」がオススメ!
電子レンジで簡単に蒸し鶏を作る料理法をまとめていきます。
鶏ささみは「電子レンジ加熱」がオススメ
電子レンジで作る蒸し鶏ささみの材料と料理手順です。
まずは材料から、つづいて料理の手順をまとめます。
- 鶏ささみ:3~4本
- 塩胡椒:少々
- 酒:大さじ2
塩胡椒はお好みでOKです。
つづいて料理の手順となります。
- 鶏ささみにまんべんなくフォークで穴を開ける
- このとき筋を取るとよりふっくら仕上がります
- 耐熱皿に入れ、塩胡椒・酒をよくまぶす
- 鶏ささみが重ならないように配置しましょう
- ふんわりとラップをかけ、電子レンジに入れる
- ぴっちりラップをかけると爆発します
- 500~600Wで4分ほど加熱し、一旦取り出し裏返す
- 裏返したら、再び500~600Wで3分ほど加熱し、そのまま少し放置する
- 粗熱が取れたら、食べやすい大きさに裂く
ささみの本数が多い場合は加熱時間を長めに設定してください。
加熱後に生の部分が残っている場合は再び加熱してください。
本数が多い場合は「鍋で茹でる」方が楽
細長いため手軽に電子レンジで蒸し鶏にできる鶏ささみですが、5本以上など本数が多い場合は鶏胸肉のように鍋で茹で冷ます方法の方が失敗が少ないです。
鍋で茹でる場合は「鶏胸肉で作るサラダチキン」の方法と同じでOK。
鶏ささみは鶏胸肉よりも細いため『茹で時間は5分』でOK、茹で汁も少ないので茹で冷ます時間も短縮できます。
手で裂きサラダなどに活用するのはもちろん、そのまま食べてもヘルシーで美味しいですよ。

ここまで「鶏胸肉・鶏ささみ」の栄養価と、ダイエット活用法についてまとめました。
栄養価に大差はないため、ダイエットへの活用はどちらの部位でもOK。
料理の際は、食中毒を防ぐため、必ず中までしっかり火を通しましょう。
お手頃価格で手に入る鶏胸肉・鶏ささみを上手に取り入れ、ダイエット中のたんぱく質補給に役立てましょう!