キノコのうち「椎茸(しいたけ)」のダイエット効果・活用法についてまとめていきます。
椎茸に含まれるダイエット向きな栄養素とは?
さらに、今すぐ始められる椎茸のダイエット活用法もご紹介します。
椎茸の栄養価

椎茸100gあたりの栄養価をまとめます。
ちなみに、椎茸100gというのは椎茸4~5株ほどの量となります。
また、椎茸には
- 人工の培地で栽培した『菌床栽培』の椎茸
- 原木にて栽培した『原木栽培』の椎茸
という2種類が主に市場に出回っています。
どちらも食べる機会が多いので、ここからは菌床・原木両方の椎茸の栄養価をまとめていきます。
<基本>椎茸の栄養価
まずは、椎茸の基本の栄養価です。
栄養素 | 菌床 | 原木 |
---|---|---|
エネルギー | 25kcal | 34kcal |
水分 | 89.6g | 88.3g |
たんぱく質 | 3.1g | 3.1g |
脂質 | 0.3g | 0.4g |
炭水化物 | 6.4g | 7.6g |
食物繊維 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 | 4.9g 0.4g 4.1g | 5.5g 0.4g 5.1g |
※菌床栽培の椎茸における食物繊維量内訳の計算が合わないのは、測定方法に違いがあるためです。ご了承ください。
エネルギーは菌床栽培が25kcal、原木栽培が34kcalとけっこう差が開きました。
いずれも低カロリーと言っても良い数値ですが、野菜の中ではやや高め。
数値が近いものには、玉ねぎ(37kcal)、ブロッコリー(33kcal)、カリフラワー(27kcal)があります。
たんぱく質・炭水化物・脂質はいずれも少なめ。
しかし、野菜の中でも食物繊維が豊富なのが椎茸の何よりの特長です。
椎茸の食物繊維について
椎茸は食物繊維を豊富に含む食材です。
菌床栽培の椎茸には4.9g、原木栽培の椎茸には5.5gが含まれます。
100gあたり5g前後というのは、あの『ごぼう(5.7g)』に匹敵する量。
そんな食物繊維のうち、椎茸に多く含まれるのは水に溶けない『不溶性食物繊維』。
不溶性食物繊維には
- 便の量を増やす
- 排便を促し、便秘の予防・改善に役立つ
- 有害物質の排出
- 腸内環境の改善
- 噛む回数を増やす
- 満腹感を得やすくなる
という働きがあります。
腸内環境を整える、つまり腸がしっかり働くとエネルギーが消費されます。
食べ物の消化にはエネルギーが多く必要なので、腸が働くエネルギー源であるカロリーや脂肪の燃焼にも役立ちます。
ダイエット第一歩は正常な腸内環境から!
さらに、腸内環境の改善は健康にも美容にも効果的なので、まず積極的に摂るべきは整腸作用がある食物繊維と言えますね。
<ビタミン>椎茸の栄養価
椎茸のビタミンの栄養価です。
栄養素 | 菌床 | 原木 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.13mg | 0.13mg |
ビタミンB2 | 0.21mg | 0.22mg |
ナイアシン | 3.4mg | 3.4mg |
ビタミンB6 | 0.21mg | 0.19mg |
葉酸 | 49μg | 75μg |
ビタミンC | 0mg | 0mg |
ビタミンD | 0.3μg | 0.4μg |
ビタミンE | 0mg | 0mg |
椎茸はビタミンを多く含む食材ではありません。
そもそもキノコはビタミンが豊富な食材ではありません。
そんな中でも椎茸を含めたキノコに比較的多く含まれるのが『ナイアシン』、また他の野菜には含まれない『ビタミンD』も含まれます。
椎茸のナイアシンについて
ナイアシンはかつてビタミンB3と呼ばれていた栄養素で、ビタミンB群の一種。
そんなナイアシンには糖質・脂質・たんぱく質の代謝をサポートする補酵素としての働きがあります。
これら三大栄養素をエネルギーに変えてくれる、とてもありがたい働きです。
さらに、ナイアシンはアルコールの分解をサポートする補酵素としても働くため、お酒が好きでよく飲む方は積極的に摂るべき栄養素と言えます。
日本人は欠乏する可能性は低いですが、アルコール依存症の方や偏った食生活をしている方は気を付けた方が良いでしょう。
椎茸のビタミンDについて
ビタミンDはカルシウムを骨に沈着させ、骨を強くするという働きを持ちます。
そのためカルシウムが多く含まれる食品と一緒に摂取すると効果的。
ただ、ビタミンDは主に魚に多く含まれる栄養素で、キノコに含まれる量は魚に比べるとわずか。
しかし、動物性(魚)と植物性(キノコ)のビタミンDは種類が違うため、どちらもバランス良く取ることが大切になります。
<ミネラル>椎茸の栄養価
椎茸のミネラルの栄養価です。
栄養素 | 菌床 | 原木 |
---|---|---|
ナトリウム | 1mg | 1mg |
カリウム | 290mg | 270mg |
カルシウム | 1mg | 2mg |
マグネシウム | 14mg | 16mg |
リン | 87mg | 61mg |
鉄 | 0.4mg | 0.4mg |
椎茸特有の成分・エリタデニンとは?
エリタデニンは椎茸から発見された栄養素で、ほとんど椎茸にしか含まれていない栄養素でもあります。
椎茸のうち傘の部分に含まれる栄養素となります。
このエリタデニンには血中コレステロールを抑制する効果が期待されています。
血中コレステロールの上昇を抑える働きは、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病予防に役立つとされ、注目を集めています。
けれども、この血中コレステロールを抑制する効果はラット・マウスでの実験でしか証明されておらず、人間への効果は未知数とも言われています。
椎茸のダイエット活用法
椎茸のダイエット活用法です。

目安は1日に100gずつ
ダイエットのため、食事にキノコを取り入れる場合は毎日100gずつを目安に食べていくのがオススメです。
椎茸100gはだいたい4~5株ほどとなります。
1日あたりの食物繊維の摂取目安量は男性は20g、女性は18gです。
椎茸100gを食べることで、1日分の食物繊維の25%ほどをクリアできます。
毎日、継続してキノコを食べていくのが重要。
他の食材とのバランスを考えつつ、キノコでしっかり食物繊維を取っていくのが大切ですね。
油を使わずスープなどに使用
椎茸には水溶性の栄養素も多く含まれるため、料理に使うときは茹で汁ごと頂けるスープや味噌汁などがオススメです。

汁物にすると椎茸の旨みがより感じられるというメリットも!わたしは、ほぼ毎日、味噌汁に何かしらのキノコを入れています。
また、料理の活用としてはかさ増しなどもオススメ。
ハンバーグや肉団子に刻んだ椎茸をつなぎとして入れると、味が美味しく、さらに節約にもなります。
椎茸に肉だねを付けて焼く椎茸の肉詰めなども美味しいですよ。
ハンバーグ・肉団子に混ぜると、崩れにくくなるというメリットもあります。
ただし注意点も。
キノコを料理に使うときは油の量に気を付けましょう。
干すとより効果的!
椎茸は干すことで水分が抜け、かさが減るため、一度に量を食べやすくなります。
細胞が壊れやすくなるので、栄養の吸収率がアップするのもポイントです。
干し椎茸を活用するのも良いですが、余裕があるなら生椎茸を自宅で天日干しするのもオススメです。
椎茸は日光に当てることでビタミンDが増加。
丸ごと干すでもOKですが、スライスしてザルに並べておけば数時間でもOK。
※丸ごと干す場合は『傘の内側を上にして』干しましょう。
その日のうちに食べるなら半生でも大丈夫なので、時間がある方は椎茸を干してから料理に使うのもありかもしれませんね。

ここまで「椎茸のダイエット活用法」をまとめてみました。リーズナブルなキノコを使い、ヘルシーにダイエットしていきましょう♪