茶色がかった色合いが特徴の玄米。
白いお米よりも栄養価が高く、ダイエット効果があるイメージがありますよね?
そんな玄米、そもそもどんなお米なのでしょう?
玄米・白米の違い、発芽玄米についてなど基本から、玄米の炊飯方法まで詳しく調べてみました。


玄米について
玄米とは精白(精米)されていない状態のお米のこと。

精白されているお米は白米や精米と呼ばれます。
この「精白」とは、玄米から糠(ぬか)や胚芽(はいが)を取り除く行程。
糠は糠漬けとして漬物にも利用されますね。
そんな糠はお米の種子のうち『果皮・表皮』に当たる部分となります。
つまり『ブラン』、小麦で言うと『ふすま』に当たる部分です。
お米の精白は、お米から果皮や胚芽を取り除き胚乳のみの状態・白米にする行程になります。
玄米の「○分つき米」とは
玄米には「5分つき米」や「7分つき米」といった表示があるものもあります。
この「○分づき米」はお米の精白度合いを示す言葉です。
割合は玄米を0、白米を10とし、玄米のうち1割だけ精白したものは「1分つき米」となります。
つまり「1分つき米」は玄米が9割・白米が1割、「5分つき米」は玄米が5割・白米が5割、「7分つき米」は玄米が3割・白米が3割。
数字が小さい方が玄米の占める割合が増えるのでご注意ください。
「つき」という言葉は、かつて杵・棒などで『搗いて(ついて)』精白していた頃の名残。
玄米をこれから始める場合は、白米の割合が多い「7分つき米」などを選ぶと続けやすいかと思います。
「発芽玄米」とは
発芽玄米は玄米を発芽させたものです。

玄米は胚芽(成長し芽となる部分)が残っているので、環境が整えば芽が出るのですね。
ただし、発芽玄米の目の長さはわずか0.5ミリメートルほど。
芽が伸びすぎると、玄米ではなく芽に栄養が行き過ぎる、栄養が消費され過ぎるという弊害が起きます。
玄米を発芽させるメリットとは?
玄米を発芽させ、発芽玄米にするメリットは『食べやすさ』と『栄養価』の2点が挙げられます。
発芽玄米のメリット1 食べやすい
発芽玄米は、発芽するときに使われる酵素の影響で
- 甘みアップ
- 糖質が分解されるため
- うまみアップ
- たんぱく質がアミノ酸(うまみ成分)に分解されるため
- モチモチ食感
- 表皮が柔らかくなるため
といった変化が起き、とても食べやすくなります。
モソモソとした食感で、食べ慣れていないと食べづらい玄米。
そんな玄米でも発芽玄米なら白米に近い食感・味わいで食べやすいのがメリットですね。
発芽玄米のメリット2 栄養価
一般的に、玄米は白米よりも栄養価が優れています。※後述します
そのうち発芽玄米は、玄米と比べ『GABA(y-アミノ酪酸)』が増加するとの研究結果があります。
同じ名前のチョコレートがあることでも有名な『GABA』。
『GABA』は心理的なストレスを一時的に低減させる効果が期待できます。
さらに、睡眠の質を向上させる効果も期待されていて、研究が進められています。
発芽玄米の作り方
発芽玄米は玄米を水に浸けるだけで簡単に作れます。
ただ、水に浸ける時間は短くて一晩、長くて2日ほどと結構かかります。
そんな発芽玄米作りのコツを簡単にまとめました。
- 浸水前に米とぎをする
- 浸ける水は20~30℃、常温に置く
- 水温が低いと発芽までに時間がかかります
- 水は数時間ごとに取り替える
- 特に夏場は頻繁に
- 胚芽部分に膨らみが出てきたら水から出す
発芽後は冷蔵庫で一週間ほど保存できますが、できるだけ早めに食べ切るのがオススメ。
常温に置いておくと、どんどん芽が出てきてしまいます。
また、長期保存する場合は冷凍庫へ入れることも可能です。
玄米の炊飯について
白米とは少し違う玄米の炊飯方法。

そんな玄米の炊飯について「米とぎ」・「水の量」・「浸水時間」それぞれを詳しく説明していきます。

玄米の炊飯は『玄米コース』がある炊飯器の利用がオススメです。
玄米の米とぎ
玄米は白米よりも優しく、米を洗うように米とぎをします。
シャカシャカと研ぐ白米とは違い、サラサラと汚れを流すようにもみ洗いしましょう。
2~3回、水を替えながら洗えばOKです。
玄米を炊くときは「水の量」に注意
玄米の炊飯で最も大切なのは分量を守ること!
玄米は計量カップで正確に計ります。
そして白米との大きな違いは水の量。
水の量は、容積(カップ)の場合は玄米「1」に対し、水「1.6強」となります。
また、重さでは玄米「1」に対し、水「2」が目安です。
※白米の場合、水の容積は1.2倍、重さは1合あたり200g(ml)が目安となります。
つまり、玄米1合分を炊く場合、水の量は一合カップ1.6杯分。
重さでは、玄米1合は約150gなので、水量は2倍の300g(ml)となります。
玄米は「一合あたり水・300ml」と覚えましょう。
また『計量を忘れてしまった』と言う場合は白米の水位に「100g(ml)×○合(お米の合数)」を加えればOK。
玄米1合の場合は100ml、二合の場合は200mlを追加すればOKですね。
といっても↑のような計量は、炊飯器に『玄米コース』がない場合や土鍋など炊飯器以外で炊飯する場合のみ必要。
水の量は最初はしっかり守り、次からはお好みで調整してみましょう。
固い食感が良ければ少し減らし、柔らか食感が良ければ少し増やすなど、何度か食べて試してみるのもありですね。
浸水された後『食塩』を加えると吸水しやすくなります。塩の分量は一合あたり1g(ひとつまみほど)が目安です。
玄米の浸水時間について
普通の炊飯器で炊く場合、玄米は短くても3時間以上は浸水させる必要があります。
むき出し状態である白米と比べ、表皮が残っている玄米は吸水に時間がかかるのですね。
浸水時間は季節によって異なりますが、夏場は雑菌の繁殖を防ぐため冷蔵庫で浸水を行いましょう。
冬場&冷蔵庫での浸水は6時間ほど、一晩はかかるとみてください。
充分に浸水したら普通の『炊飯コース』で炊き上げればOKです。
浸水することで玄米が柔らかくなり、普通の炊飯器でも美味しく玄米を炊くことができます。
また、時間がなく浸水時間を短縮したい場合は、水の温度を35~40℃ほどにすると玄米が素早く柔らかくなります。
『玄米コース』は米とぎをしてすぐに炊く場合にオススメ!
炊飯時間はおよそ1時間~と白米の2倍ほどとなりますが、浸水しなくても柔らかく炊き上がり、時間がないときに向いています。
- 米とぎ:優しくもみ洗い
- 水量:玄米の容積の1.6倍、重量は2倍
- 浸水時間:最低3時間、通常は一晩ほど
発芽玄米の炊飯方法
発芽玄米は白米と同じように炊飯できます。
白米のように米とぎをし、水の量も白米の水位(少し多めでもOK)と同量です。
浸水時間は30分ほどでOK。
玄米を発芽させることで表皮が柔らかくなるため、長時間の浸水は必要ありません。
炊飯器での炊飯モードは通常炊飯でOK、あれば『玄米コース』を使用しましょう。
【まとめ】玄米の基礎
- 玄米とは精白されていないお米のこと
- 胚乳のみの白米と違い、表皮・胚芽が残された状態
- 発芽玄米とは玄米を発芽させたもの
- 玄米の米とぎは優しいもみ洗い
- 玄米の炊飯では水の分量を「玄米:水=1:1.6強」にする
- 浸水時間は3時間~一晩ほど
ここまで、玄米の基礎についてまとめましたが、全然知らないことばかりでビックリしました・・・。